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受験シーズンに知っておきたい|受験生を狙った痴漢から身を守る防犯対策

目次

「試験に遅れたくない」その気持ちにつけ込む卑劣な犯罪

受験シーズンになると、毎年必ず耳にする「受験生を狙った痴漢」のニュース。

「試験会場に向かう電車の中で被害に遭った」「声を出せなかった」「怖くて試験に集中できなかった」――こうした声を聞くたび、胸が痛みます。

なぜ、受験という人生の大事な日に、こんな卑劣な犯罪が起きてしまうのか。そして、どうすれば防げるのか。

この記事では、防犯アドバイザーとして長年活動してきた立場から、受験生を狙った痴漢の実態と、今日からできる具体的な防犯対策をお伝えします。対象は受験生本人だけでなく、保護者の方、そして周囲の大人たちです。

この記事を読んでほしい人

  • 受験を控えた本人(中学受験・高校受験・大学受験すべて)
  • 受験生の保護者
  • 電車通学をする学生
  • 受験シーズンに電車を利用する全ての人

不安を煽るつもりはありません。ただ、知っているだけで防げる被害があります。一緒に、具体的な「備え」を考えていきましょう。

なぜ受験生が狙われるのか|加害者の心理と手口

受験生が持つ「弱み」を悪用する計画的犯行

受験生を狙った痴漢は、偶発的な犯罪ではありません。極めて計画性の高い、悪質な犯罪です。

加害者が狙う「受験生特有の弱み」とは:

1. 試験に遅れられないプレッシャー 「電車を降りたら試験に間に合わない」「騒ぎを起こして遅刻したくない」という心理は、受験生なら誰もが持っています。加害者は、この「逃げられない状況」を作り出します。

2. 周囲に迷惑をかけたくない気持ち 真面目な受験生ほど「大声を出して他の人に迷惑をかけたくない」「自分さえ我慢すれば」と考えてしまいます。この「優しさ」や「遠慮」が、加害者にとっては都合がいいのです。

3. 試験前の緊張状態 試験前日や当日の朝は、誰でも緊張しています。この精神的に不安定な状態では、とっさの判断が難しくなります。「これは偶然触れただけ?」「気のせいかも」と考えてしまう隙が生まれます。

4. 受験票や参考書など「持ち物」で識別できる 制服や私服に関わらず、受験票ホルダーを首から下げていたり、大きめのカバンに参考書を入れていたりすれば、「この子は受験生だ」と一目で分かります。加害者は、こうした「目印」を見て標的を定めます。

SNSで広がる「受験生狙い」の情報共有

さらに悪質なのが、SNS上で「受験日の電車は狙い目」「○○線の△△行きが混む」といった情報が共有されている事実です。

警視庁もこうした投稿に対して削除要請や検挙を進めていますが、完全に防ぐことは困難です。つまり、受験生を狙った痴漢は「組織的」に情報が共有される犯罪になっているのです。

よくある勘違い|「これなら安全」という思い込みが危ない

受験生本人も保護者も、防犯について誤解していることがあります。

❌ 勘違い1「制服じゃなければ大丈夫」

私服だから目立たない、と考えるのは危険です。前述の通り、受験票ホルダー、参考書、カバンの種類など、受験生を特定する要素はたくさんあります。

むしろ、制服の方が「この学校の生徒だ」と周囲が認識しやすく、何かあったときに助けを求めやすいケースもあります。

❌ 勘違い2「女性専用車両なら絶対安全」

女性専用車両は確かに有効な手段ですが、「絶対安全」ではありません。

  • 乗り換えの際に一般車両に移動する瞬間
  • 女性専用車両がない路線
  • 時間帯によっては女性専用車両が設定されていない

こうした「隙」が生まれる場面は必ずあります。女性専用車両に乗ることは大切ですが、それだけで安心してはいけません。

❌ 勘違い3「混雑していなければ安全」

「空いている電車なら大丈夫」という思い込みも危険です。むしろ、空いている車両で二人きりになる状況の方が危ないこともあります。

また、混雑している車両でも、ドア付近や車両の連結部分など、人目につきにくい場所は要注意です。

❌ 勘違い4「我慢すればやり過ごせる」

これは最も危険な勘違いです。

痴漢は、一度「この人は抵抗しない」と判断されると、エスカレートします。我慢することは、被害を拡大させることに繋がります。

受験生本人ができる具体的な防犯対策

【対策1】試験当日の服装・持ち物を工夫する

受験生であることを必要以上にアピールしない

  • 受験票は首から下げず、ポケットやカバンの内側に
  • 参考書はカバンの中に入れて外から見えないように
  • 学校名が大きく書かれたカバンは避ける
  • ヘッドホンをつけて「周囲に注意を払っている」雰囲気を出す(音は小さめに)

これは「受験生だとバレないようにする」というより、「隙がある人に見えない」ための工夫です。

【対策2】乗車位置と立ち位置を意識する

できるだけ人目につきやすい場所を選ぶ

  • ドア付近ではなく、車両の中央寄り
  • 車掌室や運転席に近い車両
  • 座席に座れる場合は、できるだけ座る
  • 壁や窓を背にして立つ(背後から近づかれない)
  • 大きなカバンは前に抱える

混雑している場合も、なるべく「逃げ道がある位置」を確保することが大切です。

【対策3】防犯ブザーやアプリを準備する

すぐに助けを呼べる手段を持つ

  • 防犯ブザーをカバンの外側につける(見えるように)
  • スマホの「痴漢撃退アプリ」をインストールしておく
    • 「デジポリス」(警視庁公式)
    • 画面タップで「痴漢です」と音声や文字表示
  • スマホは手に持っておく(すぐに操作できる状態)

防犯ブザーは「音を鳴らす」ことより、「持っている」こと自体が抑止力になります。

【対策4】「声を出す」練習をしておく

これが最も難しく、最も重要な対策です。

多くの被害者が「声を出せなかった」と語ります。それは当然のことです。突然のことで頭が真っ白になり、体が固まってしまうのは、人間の自然な反応です。

だからこそ、事前に「こう言う」と決めておくことが大切です。

言いやすいフレーズ例

  • 「やめてください」(シンプルで明確)
  • 「触らないでください」
  • 「すみません、降ります」(その場から離れる口実)

声が出せない場合は:

  • 肘で押す
  • カバンで距離を取る
  • スマホの画面を見せる
  • 咳払いをする(周囲に気づいてもらう)

「完璧に対処しなければ」と思う必要はありません。少しでも抵抗の意思を示すことが、被害を最小限にする鍵です。

【対策5】試験当日は余裕を持って出発する

時間に余裕があれば:

  • 混雑する時間帯を避けられる
  • 万が一のとき、次の電車に乗り換えられる
  • 精神的な余裕が生まれ、冷静な判断ができる

「ギリギリに到着」ではなく、「30分前には会場近くに着く」くらいの計画を。

保護者ができるサポート|子どもを守るための準備

事前の会話が何より大切

「痴漢のことを話すのは気まずい」と感じる保護者の方も多いでしょう。しかし、知識があるだけで防げる被害があります

話すときのポイント

  • 「もし何かあったら」という前提で話す
  • 「あなたは悪くない」ことを必ず伝える
  • 具体的な対処法を一緒に確認する
  • 「試験より安全が大事」と伝える

「騒いで試験に遅れたら申し訳ない」と子どもが思わないよう、「何かあったら途中で帰ってきていい」「試験は何度でも受けられる」と伝えておきましょう。

当日の見送り・付き添い

可能であれば:

  • 試験会場の最寄り駅まで一緒に行く
  • 少なくとも自宅の最寄り駅まで見送る
  • 帰りも駅で待ち合わせる

「過保護かな」と思う必要はありません。受験は年に一度の特別な日です。

連絡手段の確保

  • 何かあったらすぐに連絡できるよう、スマホの充電を確認
  • 「何かあったらすぐ電話して」と伝える
  • 位置情報共有アプリの活用も検討

万が一被害に遭ってしまったときの対応

その場でできること

  1. 可能なら声を出す・周囲に助けを求める 「やめてください」「触らないでください」

  2. 駅員や車掌に伝える 次の駅で降りて、すぐに駅員に報告

  3. 証拠を残す

  • 相手の特徴を覚える(服装・髪型・持ち物など)
  • スマホで写真を撮る(できる範囲で)
  1. 無理に我慢しない 試験より、まずは自分の安全が第一です。

被害後にすべきこと

すぐに信頼できる大人に相談

  • 保護者
  • 学校の先生
  • 駅員・警察

警察に被害届を出す 「試験が終わってから」と思うかもしれませんが、できるだけ早い方が証拠が残ります。

心のケアも大切 被害に遭ったことで、試験に集中できなくなるのは当然です。

  • 学校のカウンセラー
  • 性犯罪被害者のための相談窓口(性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター #8891)

絶対に自分を責めない 悪いのは100%加害者です。被害者に落ち度は一切ありません。

お金をかけない対策 vs お金をかける対策

今日からできる無料の対策

✅ 乗車位置・立ち位置の工夫 ✅ 受験票を見えないようにする ✅ 出発時間を早める ✅ 家族との事前の会話 ✅ 防犯アプリのダウンロード ✅ 周囲に助けを求める練習

投資する価値がある有料の対策(優先順位順)

  1. 防犯ブザー(1,000〜3,000円) 抑止力として最も効果的

  2. タクシー代の確保(数千円) 何かあったとき、すぐに帰宅できる手段

  3. 保護者の付き添い交通費 可能なら最も確実な対策

  4. 見守りサービス・位置情報共有アプリ(月数百円)

周囲の大人ができること|社会全体で守る意識

受験生本人や保護者だけでなく、電車に乗る全ての大人に知ってほしいことがあります。

「見て見ぬふり」をしない

受験シーズンの満員電車で:

  • 不自然に密着している人がいたら
  • 困っている様子の学生がいたら
  • 「やめてください」という声が聞こえたら

一言声をかける勇気を 「大丈夫ですか?」「席替わりましょうか?」

それだけで、被害を防げるかもしれません。

駅員・鉄道会社の役割

  • 巡回の強化
  • アナウンスの実施
  • すぐに対応できる体制づくり

実際に、受験シーズンには警察官や駅員が巡回を強化している駅もあります。

SNSでの情報共有も大切

「この路線、この時間帯は混むから気をつけて」「この駅は駅員さんが見回りしていた」といった情報を、SNSで共有することも、間接的な防犯に繋がります。

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