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年間8万人が行方不明に――日本で何が起きているのか?家族を守るために知っておきたい実態と対策

目次

「うちは大丈夫」と思っていませんか?

「行方不明なんて、テレビの中の話」「うちの家族に限ってそんなことは…」

そう思っていた私も、警察庁の統計を見て驚きました。2024年に警察へ届け出があった行方不明者は8万2,563人。1日あたり約226人、つまり毎日200人以上の人が、誰かにとっての大切な家族として行方不明になっているのです。

最近、SNSで「知り合いが行方不明になった」という投稿を見かけることが増えたと感じませんか?あるいは、地域の防災無線で認知症の高齢者の捜索協力が呼びかけられるのを聞いたことはありませんか?

行方不明は、決して「どこか遠くで起きている特別な出来事」ではありません。私たちの日常生活の延長線上に、確かに存在するリスクなのです。

この記事では、日本の行方不明者の実態を正しく理解し、大切な家族を守るために今日からできる防犯対策をお伝えします。

まず知ってほしい――行方不明の「本当の姿」

よくある勘違い①「行方不明=事件に巻き込まれた」

「行方不明」と聞くと、誘拐や事件を想像される方が多いかもしれません。しかし実際には、行方不明の原因で最も多いのは認知症で約1万8,121人、次いで家庭関係(親子間不和、夫婦間不和等)が約1万2,466人となっています。

つまり、行方不明になる理由の多くは、私たちの身近にある「高齢化」や「家族の悩み」といった社会問題と深く結びついているのです。

よくある勘違い②「行方不明になったら見つからない」

もう一つ知っておいていただきたいのは、2009年以降、東日本大震災があった2011年を除き、所在確認率が95%以上という事実です。

多くの行方不明者は無事に発見されています。ただし、早期発見が何よりも重要です。特に1週間以内に発見できないと見つかる確率は落ちるというデータもあります。

だからこそ、「予防」と「早期対応」の知識が、家族の命を守ることにつながるのです。

誰が、なぜ行方不明になるのか?――年齢別に見る実態

9歳以下の子ども――年間1,000人以上が行方不明に

2024年における9歳以下の行方不明者は1,035人。

「こんなに?」と驚かれる方も多いでしょう。少子化が進む日本で、1日に約3人の幼い子どもが行方不明になっているのです。

子どもの行方不明理由で最も高かったのは親が厳しすぎるといった「家庭関係」が全体の約35.7%でした。つまり、家出が最も多いということです。

ただし、迷子や誘拐で行方不明になるケースもあり、ほとんどが無事に見つかるものの、一部は事件に巻き込まれるケースもあります。人混みでは子どもを自分の体の前に立たせ、必ず肩や手を握って離さないことが基本です。

10代の若者――家族関係や学校の悩みから

10代も行方不明が多い年代です。背景には、親子関係の悩み、学校での人間関係、進路への不安などがあります。

この年代の特徴は、SNSやインターネットを通じて「外の世界」とつながりやすいこと。家出先で危険な大人と出会ってしまうリスクもあります。

高齢者――認知症による徘徊が最大の課題

認知症やその疑いがあり、2024年に全国の警察に届け出があった行方不明は1万8,121人でした。

特に深刻なのは、発見時に死亡が確認されたのは491人で、このうち約8割の382人が最後に姿が確認された場所から5キロ圏内で発見されたという事実です。

つまり、認知症の方は遠くまで行けるわけではなく、自宅の近くで事故に遭っているケースが多いのです。

20代~中高年――仕事や家庭のストレスから

働き盛りの世代も、決して無関係ではありません。事業の失敗、失業、職場の人間関係、家庭内の問題などが重なり、突然姿を消してしまうケースがあります。

「備える防犯」――家族を守るために今日からできること

【子どもを守る】お金をかけずにできる5つの基本

1. 「いってきます」の習慣を見直す

「どこに行くのか」「誰と会うのか」「何時に帰るのか」を必ず確認する習慣をつけましょう。ただし、問い詰めるのではなく、「心配だから教えてね」という姿勢で。

2. 子どもの話を聞く時間を作る

家庭関係が子どもの行方不明の最多原因です。学校のこと、友達のこと、何でも話せる雰囲気を家庭に作ることが、最大の予防策です。

3. 「もしも」のルールを決めておく

迷子になったら「その場を動かず、お店の人に助けを求める」など、具体的な行動を教えておきましょう。迷子になっても慌てずに交番に行く、近くのお店の人に助けてもらうなど、親子で話し合っておくことが大切です。

4. 防犯ブザーは「見える位置」に

一目で防犯ブザーだとわかるものを持たせると犯罪を抑制する効果が期待できるとされています。ランドセルの肩ベルトなど、すぐ鳴らせる位置につけましょう。

5. 最近の写真と身体的特徴をメモ

万が一のとき、正確な情報があれば早期発見につながります。身長、体重、服装の特徴、ホクロやアザの位置などを記録しておきましょう。

【高齢者を守る】GPS活用で命を救う

認知症の家族を持つ方に、ぜひ知っていただきたいのがGPSの活用です。

2024年、GPSなどを介して発見した行方不明者は111人で全員生存していたという実績があります。早期発見が生死を分けるのです。

お金をかけない選択肢もあります

多くの自治体が、認知症高齢者向けにGPS端末の無料貸し出しや低額レンタルを実施しています。お住まいの自治体の福祉課や地域包括支援センターに問い合わせてみてください。

紛失防止タグも有効

電波を発し、スマートフォンなどと連携して位置情報を取得する「紛失防止タグ」も有用で、タグを身に着けていた80代男性は、親族からの行方不明届が受理された約45分後、自宅から約70キロ離れた地点で保護された事例もあります。

市販のAirTagなどの紛失防止タグを靴やバッグに忍ばせておくだけでも、万が一のときに役立ちます。

【家族全体で】日頃からできるコミュニケーション

どの年代にも共通して言えるのは、「普段からのコミュニケーション」が最大の防犯対策だということです。

  • 家族の様子の変化に気づく
  • 悩みを打ち明けられる関係を作る
  • 「困ったときは必ず相談してね」と伝え続ける

これらは、お金をかけずに今日からできる、最も効果的な「備える防犯」です。

万が一、家族が帰ってこなかったら――早期対応が命を救う

すぐに警察に連絡してください

「少し待てば帰ってくるかも…」という迷いは禁物です。特に、子どもや高齢者の場合、1分1秒が重要になります。

最寄りの警察署や交番で「行方不明者届」を提出しましょう。幼い子供は生命力が弱く、短時間の行方不明が命取りになるため、躊躇せず届け出ることが大切です。

SNSの活用も視野に

近年は、SNSでの情報拡散が早期発見につながるケースも増えています。ただし、プライバシーに配慮し、警察と相談しながら慎重に行いましょう。

地域の見守りネットワークを活用

自治体によっては、行方不明者の情報を地域住民に一斉配信するシステムがあります。事前に登録しておくことをお勧めします。

「やりすぎ防犯」にならないために

ここまで読んで、「怖くなってきた…」と感じた方もいるかもしれません。

でも、大切なのは「不安で生活を縛ること」ではなく、「正しく備えて安心すること」です。

  • 子どもをGPSで24時間監視する必要はありません
  • 高齢者を一歩も外に出さないのは逆効果です
  • 家族の行動を細かく制限する必要もありません

必要なのは、「万が一」に備えた準備と、日頃からのコミュニケーション。それだけで、リスクは大きく減らせます。

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