
日本のパスポートは、裏社会で屈指の人気商品だ。
有効期限が10年と長く、ビザなしで50カ国に入国可能なIDは他にない。主にアジアの国々を中心に高値が付き、最高額は中国の120万フィリピンが100万、インドなら80万だ。
売買には実際に現地へ赴くのが一般的だが、売り手市場のためブローカー探しは難しくない。
これまで上海で2度の取引を行ったという、バックパッカーのK氏(21)が語る。「アジア
のダウンタウンって、道端に偽造免許の露店が並んでるでしよ?アソコに売り込めばいいんです。もし断られても、たいていは知り合いを紹介してくれますね。コイツで旅費
を稼ぐ貧乏学生は多いですよ」。
パスポートを渡した後は、近場の宿屋で3時間ほど待機。
ブローカーから連絡が来たら公安に紛失届けを提出し、領事館で再発給を受けて終了だ。
むろんリスクはある。不正出国の増加を重く見たアジアの各国政府は、紛失届の審査基
準を強め、申請者を半月は国内へ軟禁状態に置く方針を固めた。
取引がバレれば問答無用で強制送還、不正出国語助で現地逮捕もあり得る。
では、日本で全てを処理したらどうなのか。ネットでパスポート販売の書き込みを探し、売り込みメールを出せば安全にサバけるように思えるが。再び、K氏が言う。
「全然ダメです。買い手はすぐに見つかったけど、10万にしかなりませんでした。国内じゃ人気がないらしくて…」。
日本のパスポートは、紛失届が出た瞬間から、国内での使用がほぼ不可能になる。自然、
ブローカーの目的は海外転売に限られ、5万の底値で買い叩くケースも珍しくない。
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